IT経営のススメ その8 チェックポイント5:ネットの活用


パソコンのトラブル解決なら岡山で1番の会社を経営していたIT経営コンサルタントの川上です。

IT経営の状況をチェックする6つのカテゴリ、5つ目は『ネットの活用』です。

業務ソフトの活用は主に『コストの削減』や『情報共有』を意識したものが多いですが、ネットの活用は集客や顧客フォロー、企業ブランディングなど、売り上げアップを狙ったものが主となります。
業務ソフトの活用が『守りのIT活用』ならネットの活用は『攻めのIT活用』と言えます。

  • ビジネス(取引先や顧客とのやり取り)にメールを利用していますか?
  • ホームページやブログはありますか?
  • SNSは活用していますか? 活用の仕方は間違えていませんか?

まず最初に断っておかなければいけないことは、単にホームページを作っても売り上げにはつながりません。
10年以上前の昔なら、簡単なホームページでも商品が売れた時代がありました。
当時私が勤めていた会社のクライアントさんでも、簡単なホームページでベンツが売れたり高級贈答品が売れたりしていました。

しかし、現在では単にホームページを作っただけでは商品は売れません。
ネット販売だけではありません。来店型ビジネスでの売り上げアップにも簡単にはつながりません。
なぜなら、数多くどころか、多すぎるほどの競合(ライバル)がいるからです。

2000年1月のJPドメイン登録数は約12万件でした。今年2012年1月のJPドメイン登録数は約126万件です。(JPRS資料)
独自ドメインだけで10倍以上。
ドメインで運営されていないホームページを含めれば、、、
126万件の中に1つや2つ新しいホームページが出来たところで、まず見てもらえません。

マーケティングの分野では最近『マインドシェアが大事だ』とよく言われます。
お客様の頭の中に、自社の商品やサービスあるいはお店がどれだけ覚えてもらっているか、必要な時に思い出してもらえるかが大事だという考えです。
どんなに優れたサービスも素敵なお店も、知らなければ選択肢に挙がりませんし、必要な時に思い出してもらえなければ利用してもらえません。
記憶に残らなければ勝負の土俵にすら上がれないワケです。

ホームページもこれと一緒で、まず見てもらえなければ意味がありません。
見てもらえても、ホームページを通してお店やサービスを信用してもらい、さらに記憶に残り、必要とする時に思い出してもらえなければ意味がありません。
つまり、ホームページは作って終わりではなく、作ってからの運営(中身)が大事なのです。

ホームページは見てもらことが大事だからと言って、SEO(検索エンジン対策)やPPC広告に頼りすぎるのもお勧めではありません。
中身がなければいくらアクセスを集めてもビジネスに繋がらないからです。

まずはコンテンツ(内容)をしっかり作ることが大切です。
こまめに更新を行い、見る人に有用な情報を充実させていけば、取り立ててSEO対策を行わなくても、サイトの運営(更新)自体が自然とSEO対策に繋がっていきます。
もちろん、お金や時間に余裕があればSEO対策はやらないよりはやった方が良いですが、順番が大事と言うことです。

また、ネットにはホームページ以外にもブログやSNS(ツイッターやfacebook、youtube)など多くのサービスがあります。
これらを活用することも重要ですが、ホームページと同じで、ただ流行りに乗ってブログやSNSをやっても、それだけでは集客や売り上げアップにはつながりません。
ホームページもブログもSNSもツールです。目的によって使うべきツールもその使い方も変わってきます。

会社やサービス、商品を詳しく知ってもらう、総合的なブランド力を高めるならやはりホームページでしょう。
情報発信で信頼を集めるならブログがお勧めかもしれません。
コミュニケーションをとって顧客に親近感を持ってもらならSNSはまさに最適なツールでしょう。

しかし、コミュニケーションをとるためのツールであるSNS(例えばfacebook)で売り込みをしたらどうなるでしょうか?
使い方を間違えれば、商品が売れないばかりかあなたのビジネス自体がNOと言われかねません。
いわゆるマイナスブランディングです。

ネットの活用は『攻めのIT活用』だと最初に書きました。
うまく使えば集客や売り上げアップに効果を発揮しますが、使い方を誤れば成果が出ないばかりか、マイナスブランディングとなる諸刃の剣でもあるのです。

ちゃんとした戦略や経営方針がなければ、短期的には運よく成果が出たとしても、その成功は長続きしません。
大事なのは何を使うかではなく、どのように使うかです。目的にあわせてツールを選び、正しく活用することが重要です。

ネットの活用は、予算的には安く上げようと思えば無料サービスなどを利用することでかなり安く、それこそタダ同然で出来ます。
逆に、予算も掛けようと思えばどこまでも高く掛けることができます。
大手のコンサルティング会社やWEB制作会社に頼めば目の覚めるような値段で素晴らしいホームページを作ってくれるでしょう。

しかし、ネットの面白いトコロは、かけた値段に見合うリターンが得られるかと言うと、そうではないところです。
安い予算でも成果が出ることがあれば、大金をつぎ込んでもまったく成果が出ないこともあります。
つまり、どのようにネットを利用し運営していくのか、活用の仕方に戦略を持たせることが大切で、それがなければ費用に見合った成果は得られません。

ネット活用(に限りませんが)を戦略的に行うには、まず経営方針や経営計画がしっかりしている必要があります。
経営方針や経営計画をサポートし、効果的に実行するためにITを活用するのがIT経営だからです。
大事なのは順番を間違えないことです。

あなたのネット活用は経営方針と合致していますか?
そもそも経営方針(経営理念)は存在しますか?
どのようなツールも土台がなければ効果は出ません。今一度足元を見直してみましょう。